今年も残すところ、あと1時間となりました。
2017年ラスト2週間は小学校での邦楽鑑賞会、大学での4日間の集中講義でした。

学校公演は前橋市の粕川小学校と、月田小学校で、めずらしく2校掛け持ち邦楽鑑賞会でした。
同じ前橋市といえども、こちらはかなり長閑な風光明媚な山里の雰囲気。赤城山近〜い!!
前橋では3年に一度の邦楽鑑賞会を開く予算が組まれています。大切な機会にお声をかけていただき嬉しいです。今回は望月晴美さんと2人で行って参りました。
箏は少しは見たことはあるにしても、三味線や、お囃子の小鼓や太鼓、様々な鳴り物の数々は恐らく初めてのことだったでしょう。
今回のプログラムは
「六段の調」「千鳥の曲」「岡康砧」「こきりこ」「塩へしり」(「遠野」より)、そして「ざしき童子のはなし」
そして鑑賞の後は楽器体験あり、「ざしき童子のはなし」をワークショップでチャレンジするなど、盛りだくさんの内容の濃い贅沢な時間を一緒に楽しく過すことが出来ました。
二つの小学校は隣接しているものの、児童の数が全く異なります。が、多少にかかわらず私たちはやることはかわりませんよ。ただ生の演奏に触れて、実際に触ってみたり、実践してみたりすることが子供たちに日本の音楽に興味を持ってもらって大きな好奇心を開かせて、大きな思い出となって刻まれてほしいな。
私自身は小学生の時に学校の鑑賞会でみた「わらび座」という劇団の公演をみたときの感動を今でも忘れません。


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「ざしき童子のはなし」は下調べもしてくれていました。

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後日かわいい子供たちの感想文と一緒に、学校だよりをいただきました。

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子供たちの素直なお手紙を読んでいると、強く思うのはやはり義務教育の間にすべての子供たちが日本の音楽に親しみ理解を深め、本当の邦楽の良さを知ってもらう時間をもう少し作ってもらい、プロのオーケストラの演奏をホールで聴く鑑賞会があるように、邦楽だってプロレベルの邦楽鑑賞会があっていいはずだと思うのです。
実際にはなかなか予算の面で難しいとはいいますが、いつかその夢が叶いますようにがんばりますよ!!



そして仕事納めとなった年末26〜29日の4日間は大学での集中講義でした。
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日本の伝統的歌唱という授業で、箏弾き歌いでの「箏歌」を学んでもらいました。将来学校の先生になるだろう大学生との濃密な4日間でした!
邦楽についてほとんど知識が無い学生たちが筝の弾き歌いに取り組み、彼らにとっては未知の世界への第一歩を踏み出すがごとく、さまざまなことを吸収し学んでくれました。90分授業×15コマ、本当に
毎日熱心に弾くこと、そして歌うこと、そして弾き歌うことに取組んでくれました。
最終日はすでに大学も閉まっている中でさえ、ほとんど缶詰、17時半に終了。
本当にかなりハードな4日間でしたが、学生は最後の実技発表を終えて達成感に満ちて終えることができたようです。私としては教えられることは精一杯教えてあげたいと思っても、やはり伝えきれないことがまだまだあったかな。まあ、ひとまず自分考える目標ラインまでは到達し終えてホッとしました。

講義の中で、実際自分が出かけていって感じた学校教育での現状も話しました。レポートには私が一番学生たちから聞きたかった、引き出したかった言葉が全ての学生にかかれていて嬉しかったです。学生たちは、日本音楽について興味を持ったことについてさらに理解を深め、機会を持って学んでみたいとそれぞれが思ってくれたようです。
芽生えた好奇心からもっともっと日本の音楽が好きになりますように!未来は彼らの好奇心と私たちの努力にゆだねられているのですね。

邦楽の未来はこれから。
学校の先生方の熱心さや、児童の好奇心を育てていけたらどんなことでも惜しみません。
来年ももっともっと頑張って日本の音楽を良さ、素晴らしさを伝えていきたいと思います。

今年一年、いろいろなことがありました。自分なりに結構がんばった一年でした。
お世話になりました皆様ありがとうございました。
そしてたくさんの皆様に出逢えたことに感謝申し上げます。

それでは良い年をお迎え下さいませ。