昨日は諸井誠先生のお別れ会でした。
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会場はサントリーホールのブルーローズで、日本アルバン・ベルク協会の一柳慧先生が発起人代表で、諸井先生とご縁の深い演奏関係者、音楽関係者、先生の作品を愛する方が大勢ご出席されました。
三橋貴風さんの「竹籟五章」(1964)よりはじまり、一柳先生の弔辞に続いて、2011年リサイタルのために諸井先生に書いていただいた「秋の琴〜もうひとつのレクイエム〜」を演奏させていただきました。最後に木村かをりさんの「ピアノのためのαとβ」(1954)が演奏され、献花となりました。

しずかな進行の中で、思い出されてくるのは、3年前の初めてご挨拶に伺った時の事、そして作曲最中に何度もFAX書簡を交わしたこと、何度も鎌倉へレッスンに通った時のこと。その後、高崎でのコンサートでの再演にご夫妻でお越し下さったり、今年5月にCD収録のためライナーノートをお願いしたお電話がお声はとてもお元気そうでした。わずか3年間のお付き合いでしたが、大変深いご縁をいただきました。そして自らの死を予感なされていたのかもしれない。。ふとそんな予感がしたことがありました。それでも作曲にかける熱意は恐るべきもので、生きるという力もみなぎってきたように感じました。
あれほどの大先生であっても、私ごとき後輩の意見も受け止めてくださり、大きく包み込んでくださいました。詩にかかれた意味の深さ、音楽的構成と、ナレーションを配した演劇的な演出も、ちょっとやそっとでは理解し難いかもしれぬ、演奏時間約30分の大作を、ようやくそこに書かれた本当の意味がみえてきたと思ってはみるものの、やればやれるほどその難しさにたじろいでしまう。弾き歌いの大変難しい曲です。何度演奏しても演奏してもいつも宿題を出されてしまったような気持ちになってしまうのです。

「秋の琴〜もうひとつのレクイエム〜」は
CD「万葉の恋歌〜箏歌<Koto Uta>をうたう〜」(ALM RECORDS)に収録されています。

「秋の琴」は私にとって、大きな出会いの音楽でありました。それは先生にとって永訣の音楽となり、しかし音楽は私たちの心の中に永遠の音楽として深く刻み込まれ生きていくることとなることでしょう。私はその役目をしっかりと受け継いでいきたいと思います。



鎌倉円覚寺の白雲庵に諸井誠先生のお墓があります。墓石にはこのように刻まれています。


ARS  LONGA
VITA  BREVIS

芸術は永く、人生は短い

振り向くと、澄み渡った空の先に富士山が美しく見えるのです。

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