9月に入り、めっきり秋めいてきました。
虫の音も日を追うごとに大きくなってきます。

9月2日は作曲家諸井誠先生の命日でした。もう4年が経ちますね。
委嘱作品「秋の琴〜もうひとつのレクイエム〜」は、2011年の東日本大震災の年の10月リサイタルで初演しました。その後再演を繰り返し、CD「万葉の恋歌」収録、諸井先生の最後の作品としてお別れ会でも演奏させていただきました。作品が出来上がるまでの先生との往復書簡が今も手元に残っています。その一文字ひと文字に先生の音楽への熱き思いが手に取るように伝わってきます。鎌倉でのレッスンが懐かしく思い出されます。

テキストの元になっている詩集「コスモス〜その愛」。詩人中村稔氏の奥様への挽歌です。親交のあった諸井氏はこの詩集を歌詞として再構成し、作曲されました。
この世のすべての愛する人から愛する人への遺言(メッセージ)のように、切なく、心に響いてまいります。

25分の大曲です。
長いですが、あらためて皆様に聴いていいただければ嬉しいです。

CD「万葉の箏歌」収録曲。